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最高裁判所第三小法廷 昭和44年(あ)649号 決定 1969年7月25日

主文

本件上告を棄却する。

理由

被告人本人の上告趣意のうち、判例違反を主張する点は、判例を具体的に摘示していないから不適法であり、その余の論旨は、憲法三三条違反を主張する点もあるが、実質はすべて、単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主張であって、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。(記録を調べても、被告人の司法警察員に対する供述調書に任意性を疑うべき点は見出されない。また、一三才未満の者に対し、その反抗を著しく困難にさせる程度の脅迫を用いてわいせつの行為をした場合には、刑法一七六条の前段と後段との区別なく右法条に該当する一罪が成立するものと解すべきであるとした原判断は相当である。)

弁護人安孫子理兵衛の上告趣意は、量刑不当の主張であって、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。

また、記録を調べても、同法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって、同法四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 下村三郎 裁判官 田中二郎 裁判官 松本正雄 裁判官 飯村義美 裁判官 関根小郷)

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